ばしょーと言うミュージシャン。
揺れるロウソクの炎と、静寂が心地よかった。その場にいた全員がそう感じてたと思う。もう少しだけ、もう少しだけ・・
そう思う自分がいた。
ウィーン ガシャン♫
階段を駆け上がった俺の目の前。無慈悲にその扉を閉じ、列車は行ってしまった。
たくさんの人が訪ねて来てくれた日。笑顔で満たされた昼間も、何だか解り合えた気がした演奏も、心地いいコーヒーの香りも、優しいロウソクの炎も、ずっと浸りたいとすら思えた静寂も、その鼓動で全てをかき消して、列車は行ってしまったのだ。
あーあ。
この日は竜野市のGALLERIA ARTS&TEA で武内太一君がプロデュースするイベント「夕やけ音楽会」がありました。同い年のリョーケンや かの。ちゃん ばかりがチヤホヤされてるが、俺の方がすごいんだ!!って言うばしょーを主役に据えた回やったんです。
「こっちもイベントの日やから、店閉めてからやからギリギリなるけど、お前が主役なん見に行くわ。」
太一くんやリョーケン、かの。ちゃんのライブには間に合わなくても、18時に店を閉めたら、ばしょーのライブには悠々間に合う算段だったんです。
それがラストのキャンドルがいい感じで、もう1本くらい後でも大丈夫か。もう一本は大丈夫やな。で、まったりしてて。フジシロくんを駅まで見送って姫新線へ。もうこれには乗らないと間に合わないって電車でした。行っちゃったのでホームで30分待ち。笑
半分諦めて会場に向かってたら、先に会場入りしてたマッドからラインがきました。
”あと10分ほどでばしょーの番です”
次が目的の本竜野駅。もうとっくに始まってると思って消沈してた俺のテンションを表彰台の一番高いところまで押し上げるには充分なメッセージでした。
駅に着いたスプリンターは迷わず走り出しました。
表彰台の一番高いところを目指してではなく、そこに友人が立つのを目撃するために。
ほぼ、走れメロス。
これが太一くん、リョーケン、かの。ちゃんを打ち負かして表彰台の一番高いところに立った友人の図。笑
昼から飲みっぱなしだったので、死ぬかと思いました。駅から1キロない。多分700〜800メートル。3キロだったら諦めるしタクシーに乗るけど。荷物抱えてだいぶお酒が入ってても走りきれる距離でした。
会場の扉を開けたら、演奏中のばしょーと目が合いました。俺の文章力では表現出来ないような、なんとも言えない優しい笑顔でした。
ばしょーのライブの一曲目に間に合った。飛び出しそうな内臓をビールで流し込み・・ 笑
さっきのロウソク以上に温かな空間。中心には確かにばしょーが居ました。
いいライブやった。
あ 俺は最後しか見てないので、本当にばしょーが他の3人を打ち負かして主役になれてたのかどうかは解りません。
まぁでもチヤホヤされてないなんて事ないわ。予定あけてあれだけの人が集まってくれたんやから。四十路で荷物抱えて必死に800メートルダッシュしてくれるファンがいるミュージシャンなんかそうそうおらんと思う。笑
今度、ウクレレ持って出演します。
主役になりに行くので、見にきてくださいね。